モトローラ折りたたみスマホ「razr 40」は、高性能なのにお手頃価格。
モトローラから発売された「motorola razr 40」 (モトローラ レイザー 40)は、高価な折りたたみスマートフォンの中でも手に取りやすい価格が注目の1台だ。それでいて、基本スペックやカメラ機能は優秀で、使い勝手もよい。 折りたたみスマートフォンのデビューにピッタリな「motorola razr 40」の魅力を解説しよう。
高コスパ鬼コスパの折りたたみスマホを
生み出したモトローラ
スマートフォンのデザインは、素材や見た目の違いで差別化されているが、大枠においては「長方形型の一枚板」という形状が長らく一般的であった。しかし、数年前から折り曲げられる有機ELディスプレイを搭載する折りたたみスマートフォンが登場し、注目を集めている。
これまでにない斬新なデザインと、折りたたみヒンジ機構を備えたスマートフォンでしか得られないまったく新しいユーザー体験は、多くのガジェット好きユーザーの興味を引き付けるには十分だったが、街中で見かける機会はあまり多くない。
最大の理由は言うまでもなく価格だ。ときには20万円を超える価格となる折りたたみスマートフォンは、いくら魅力的に映っても「未知の端末」というイメージも相まって、実際にはなかなか購入の決断が難しいのだろう。
そもそも、なぜ折りたたみスマートフォンは高価なのだろうか? 折りたたみスマートフォンには、折り曲げ可能な有機ELディスプレイをはじめ、端末を折りたたむための精密なヒンジ機構や、より省スペースに収めるための 特殊な形状のバッテリーが採用されており、その製造工程は通常のスマートフォンとは比べ物にならないほど複雑。現時点で折りたたみスマートフォンを開発、 販売しているメーカーが大手に限られていることからも、その難易度の高さと、多大なコストがかかることは自明の理だ。
そんな「折りたたみスマートフォン=高価」というイメージを覆すために、早くから折りたたみスマートフォンの開発に着手していたモトローラが投入したのが「motorola razr 40」「motorola razr 40」。本機は、手に取りやすい価格設定となっており、特にIIJmioでは通常価格で95,800円(税込)※という10万円を切る破格の価格を実現している。一般ユーザーでも気軽に手を出せる折りたたみスマートフォンがついに登場したわけだ。 ※この価格は今後変更される可能性があります。
ハイエンドだけではなく、ミドルクラスやエントリークラスのスマートフォンも幅広くラインアップしているモトローラ。折りたたみスマートフォンにい まいち踏み切れないユーザーが、スマートフォンに何を求めているか、何が必要なのかをしっかりと理解している同社だからこそ実現できた端末だと言える。
カメラ機能折りたたみスマホならではの
自由な撮影スタイル
「motorola razr 40」はクローズ時において、手のひらサイズのコンパクトボディを実現しており、小さなポケットでもスムーズに出し入れができる。本体背面にはアウトディ スプレイが搭載されているので、メインディスプレイを閉じたままでも多彩な情報が確認可能。開けると大画面、閉じるとコンパクトサイズというのは、折りた たみスマートフォンならではの特徴と言えるだろう。
また、ヴィーガンレザーを採用するなど、まるでオシャレな財布のようなポップなデザインも魅力的。ファッションアイテム感覚で持ち歩ける折りたたみスマートフォンに仕上がっている。
約1.5インチのアウトディスプレイには時計、オーディオレコーダー、カレンダー、連絡先、タイマー、メディア、天気 などの情報をパネル形式で表示。メインディスプレイを開かなくても各種情報を素早く確認可能だ。なお、アウトディスプレイは強化ガラス「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされているので、傷ついたり、割れたりする可能性は非常に低い
一枚板のスマートフォンにはない「motorola razr 40」ならではの特徴のひとつと言えるのは、まったく新しいカメラ体験だろう。アウトディスプレイにプレビューを表示して自撮りできる「閉じたままセル フィー」や、スタンドがなくても好きな場所に置いて手早く撮影できる「Flex View Style」、ハンディカメラのように握ることで安定した撮影が行える「L字スタイル」は、本機だからこそ可能となった撮影スタイルだ。
また、「motorola razr 40」には、メインカメラ(約6,400万画素、F1.7、光学式手振れ補正)、超広角+マクロカメラ(約1,300万画素、120°、F2.2)、イン カメラ(約3200万画素、F2.4)とハイスペックな3つのカメラが搭載されている。加えて、メインカメラでは高速にフォーカスを合わせるための「レー ザーAF」や、被写体との正確な距離を計測する「ToFセンサー」が利用できる。気になる画質については下記の作例で確認してほしい。
折りたたんだ状態の端末を掌に持って手首を2回まわすとカメラが自動で起動。そのまま手をかざせば、カウントダウンが 始まりセルフィーが撮れる。これが「閉じたままセルフィー」だ。アウトディスプレイにプレビュー画面を表示することで、構図をしっかりと確認しながら高画 質なメインカメラでセルフィーを楽しめる。メインカメラには光学式手ブレ補正が搭載されており、フォーカスは高速かつ正確。約6400万画素のイメージセ ンサーにより艶やかな黒髪の質感まで緻密に描写されている。肌の発色も実に瑞々しい
ディスプレイを折りたたむと、スタンドがなくてもさまざまな場所に置いてセルフィーが可能。これが「Flex View Style」だ。ディスプレイの角度は無段階で調整できるのでどんなアングルでもピタリと決まるのもうれしい。インカメラのイメージセンサーも約3200 万画素と高解像度。黒髪、肌、服の質感をリアルに描写してくれる
自然な姿勢で構えられる「L字スタイル」だからこそ、移動しながら被写体をスムーズに追い続けられる。また、このスタイルでは一枚板のスマートフォンよりも死角が減るので、プレビューを見ながら、足元や周囲のものなどにも気を配れるというメリットがある
折りたたみスマートフォンの撮影スタイルは、スマートフォンのカメラ体験をガラリと変える可能性を秘めている。一枚板のスマートフォンと比べると、撮影が楽しく、アイデア次第でさまざまな写真や動画が撮影できるだろう。
基本スペック折りたたみスマホ体験を
支える基本スペック
「motorola razr 40」は、プロセッサー(SoC)に「Qualcomm Snapdragon 7 Gen 1」を採用。メモリーは8GB、ストレージは256GBを搭載している。
「Qualcomm Snapdragon 7 Gen 1」はミドルハイクラス向けのSoC。ハイエンドスマートフォンと比べるとパフォーマンスはやや控えめだが、普段使いには十分な処理能力を備えている。負 荷の高い3Dゲームもグラフィック品質を調整すればプレイ可能だ。
そして何より、ハイエンドスマートフォンが搭載するSoCよりも低価格。「motorola razr 40」はここで大幅にコストカットできているわけだ。
本機は、一般的な用途であれば動画撮影や、ちょっとした動画編集などに十分なスペックを備えている。価格とのバランスを考慮すれば、むしろベストマッチなSoCが採用されていると言えるだろう。
また、スタミナ性能を大きく左右するバッテリー容量については、日本国内で流通している縦折りタイプの折りたたみスマートフォンの中で最大容量とな る4200mAhを搭載。コンパクトかつ薄型で、ヒンジを挟んでボディーが2分割されている折りたたみスマートフォンに大容量バッテリーを搭載するために は、高い実装技術が必要となるため、この容量は驚くべきことだ。
実際に、ディスプレイ輝度50%、音量50%でYouTube動画を2時間連続再生したところ、バッテリー残量は100%から89%に減っていた。 つまり、同じ条件でバッテリー残量0%まで動作させるには、単純計算で18時間10分かかることになる。コンパクトな折りたたみスマートフォンとしては十 二分なスタミナ性能を備えていると言えるだろう。
さらに、折りたたみスマートフォンの魅力のひとつとなっているのが、持ち運ぶときにはコンパクトでも、メインディスプレイを開けば大画面でコンテン ツが楽しめる点だ。約6.9インチの有機ELディスプレイ(2640×1080)は、縦持ち時にはSNS閲覧時の前後の見通しがいい。スクロールの回数が 少なくて済むので、ゆったりとタイムラインがチェックできるのだ。
また、横持ちで動画を見たり、ゲームをプレイしたりする際には、画面に包み込まれるような没入感を得られるのも大画面ならではの魅力。加えて、 HDRコンテンツの再生に対応しているので、YouTubeなどで公開されている対応コンテンツでは締まった黒、鮮やかな光の表現を存分に味わえる。
さらに、大画面ディスプレイではマルチタスク操作が非常に快適だ。たとえばYouTubeでミュージックビデオを再生しながら、アーティストの公式 サイトをチェックしたり、SNSで友人と連絡を取り合いながら、マップアプリで待ち合わせ場所までのナビ情報を表示したりできる。ふたつのアプリを同時に 表示したままディスプレイ上を行き来すれば、さまざまな作業の効率が大幅に向上すること請け合いだ。
折りたたみスマートフォンで意外に便利な使い方が「画面を折り曲げた利用スタイル」。画面を自由な角度に曲げて、テーブルなどの上に置けば、スタン ドなしで動画を視聴したり、ハンズフリーでビデオ通話を行ったりすることが手軽にできる。これは一枚板のスマートフォンでは真似できない芸当だ。
「motorola razr 40」は、このほかにもFeliCa対応によりおサイフケータイが利用でき、IP52の生活防水に対応。また、素早くバッテリーをチャージできる「30W TurboPower急速充電」や、Qi対応の5Wワイヤレス充電機能を備えている。
折りたたみスマートフォンで懸念されがちな耐久性については、万が一の事故が起きた場合でも、全国の「iCracked Store」にて、落下・水没・破損時に、データはそのままで最短60分で修理可能となる。日本市場のユーザーが喜ぶ基本機能や、安心サービスをしっかり と網羅している点は高く評価できる。
まとめ乗り換えるなら今!
折りたたみデビューにいかが?
「motorola razr 40」は、一部販路で通常価格95,800円(税込)という非常に高いコスパを実現。ミドルハイクラス向けのSoCを採用することで、折りたたみスマート フォン随一の低価格を実現したが、有機ELディスプレイの表示品質や、高性能なカメラ、大容量バッテリーなど、スマートフォンの基本的な部分はハイエンド スマートフォンに負けじと劣らない。加えて、折りたたみスマートフォンならではの撮影スタイルや使い勝手の高さなど、ユーザー体験をリッチにするスペック にも妥協がない。
SNSに夢中な人、日常的に写真や動画を撮りまくる人、動画や生配信を見まくる人、ゲームに没頭している人、スマートフォンで仕事もこなしちゃう人 など、多種多様な使い方にバッチリはまる。一枚板のスマートフォンもいいが、新しいスマートフォン体験にチャレンジしたい人や、折りたたみスマートフォン が気になる人にぜひ手にとっていただきたい1台だ。