motorola razr 40 ultraをレビュー!片手操作がしやすい近未来型の折りたたみスマホ
近年、スマートフォンの大型化はどんどんと進んでおり、片手で操作できるスマートフォンは数えるほどしかなくなってしまいました。
一方で、片手で操作できるほどの大きさのスマートフォンはバッテリーの持ちが悪かったりとメリットだけではありません。
そんな中発売されたmotorolaの折りたたみスマホ「razr 40 ultra」は、3.6インチのアウトディスプレイを備えたスマートフォンです。
簡単な操作はアウトディスプレイで操作でき、片手操作も楽々です。
それでは早速、motorola razr 40 ultraを詳しくレビューしていきます。
もくじ
motorola razr 40 ultraの特徴
razr 40 ultraの最大の特徴は、3.6インチのアウトディスプレイです。
大きめのアウトディスプレイがあることで、日常的な利便性や撮影方法の幅などできることは格段に広がります。
razr 40 ultraの特徴
- 高級感のあるデザイン
- 大画面の外部ディスプレイ
- Snapdragon 8+ Gen 1搭載
- ディスプレイの綺麗さ
- 指紋・顔のW生体認証
- 長時間持つバッテリー
スペック一覧
motorola razr 40 ultra | |
---|---|
ディスプレイ | メインディスプレイ : 約6.9インチ 2,640×1,080 (FHD+)、pOLED、22:9、リフレッシュレート 最大165Hz アウトディスプレイ : 約3.6インチ 1,066×1,056 pOLED、1:1 リフレッシュレート 最大144Hz |
プロセッサー | Qualcomm® SnapdragonTM 8+ Gen 1 Mobile Platform |
メインメモリ | 8GB |
内部ストレージ | 256GB |
Wi-Fi | Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz / 5GHz / 6GHz) Wi-Fi 6E |
Bluetooth | Bluetooth 5.3 |
SIM | nanoSIM/eSIM |
カメラ | アウトカメラ:約1,200万画素メイン (f/1.5) OIS、Dual Pixel PDAF + 約1,300万画素 超広角(108°)+マクロ (f/2.2)、LED フラッシュ インカメラ:約3,200万画素 (f/2.4) |
動画録画 | アウトカメラ:メイン: UHD (60/30fps) , FHD (60/30fps) 超広角: UHD (30fps) , FHD (30fps) マクロ: UHD (30fps) , FHD (30fps) インカメラ:UHD (60/30fps) , FHD (60/30fps) |
生体認証 | 指紋認証、顔認証 |
おサイフケータイ | - |
防水防塵 | IP52 |
バッテリー | 3,800mAh |
充電方式 | 30W TurboPower™ チャージ対応(別売り)、5W ワイヤレス充電(Qi対応) |
重さ | 約188g |
サイズ(高さx幅x厚さ) | 約170.83mm x 73.95mm x 6.99mm(最薄部) ディスプレイ (折りたたみ時 : 約88.42mm x 73.95mm x 15.1mm) |
本体カラー | インフィニットブラック |
公式価格(2023年8月現在) | 税込155,800円(モトローラ公式オンラインショップ) |
高級感のあるデザイン
これまで数多くのスマートフォンをレビューしてきましたが、razr 40 ultraは一味違った高級感があります。
従来のハイエンドスマホに使用されているのはガラス素材やアルミ素材が一般的ですが、razr 40 ultraはサラサラとしたマットなデザインになっています。
これにより指紋がつきにくく、カメラアプリの長時間利用など多少熱を発することを行ったとしても熱を感じにくくなっています。
側面などの背面部以外はアルミフレームとなっており、この異素材の組み合わせが所有欲を満たしてくれます。
ディスプレイの綺麗さ
約6.9インチのメインディスプレイは、2,640×1,080の解像度でリフレッシュレートは最大で165Hzとなっており、動画視聴もゲームも最大限に楽しむことができます。
折りたたみスマホで一番気になるのが真ん中の折りたたみ線ですが、昨年レビューしたGalaxy Z Flip4よりも違和感なく、正面からスマートフォンを操作している分には全くと言って良いほど境界線は気になりません。
縦長の縦横比となっているため、シネマスコープサイズの映画を見る際はフルスクリーンでコンテンツを楽しむことができます。
また、折りたたみスマホで一番心配なのは、ディスプレイの耐久性です。
razr 40 ultraは、落下、衝撃などの外的要因による、ディスプレイ破損、ディスプレイ故障に対して、購入から12ヶ月以内であれば1回無料で修理してくれます。
保証内容は以下になります。詳しい保証内容についてはこちらから確認ください。
razr 40 ultra ご購入特典 「ディスプレイ破損1回無料サポート」 | |
razr 40 ultraを安心してお求め・ご使用いただくため、ご購入後、落下等により発生したディスプレイ破損を、保証期間内に1回無料で修理いたします。 モトローラ国内正規販売店にてご購入(中古品・転売品等を除く)いただいた全てのお客さまが対象です。 |
|
期間 | 2023年8月~ ※予告なく終了する場合があります。 |
対象製品 | 日本国内のモトローラ正規販売店で新品購入された razr 40 ultra |
サービス利用料 | 無料 ※お申込み不要 |
保証範囲 | 落下、衝撃などの外的要因による、ディスプレイ破損、ディスプレイ故障 ※外側、内側両方のディスプレイが対象 |
保証範囲外 | 自然故障、ディスプレイ以外の破損/故障、水濡れ、盗難、紛失、電池パック、消耗品、付属品、等 ※自然故障の場合、メーカー保証期間内は無償修理対応 |
保証サービス内容 | ディスプレイ部品交換修理 |
保証期間 | 製品ご購入日を起算日として12ヶ月間 ※修理サービスをお申込みいただく際、領収証等の購入証明書類が必要となる場合があります。 |
保証適用回数 | 保証期間中1回 |
サービス利用方法 | ディスプレイ修理を必要とする場合、モトローラ サポートページより修理をお申込ください https://jp-jp.support.motorola.com/app/mcp/contactus |
その他 | ・ディスプレイ破損以外の修理が発生した場合は、当該部品交換についての料金が発生します。 ・モトローラ国内正規販売点以外で購入された製品、中古品、転売品、譲渡品等は保証対象外となります。 ・moto care安心保証サービス(有料)にも別途ご加入いただけますが、保証内容が異なります。moto care安心保証サービスについてはこちら(https://moto-bu.motorola.co.jp/moto-care/)をご確認ください。 ・詳しくは、moto careサポートセンターまたはモトローラ カスタマーサポートへお問合せください。 |
大画面のアウトディスプレイ
razr 40 ultraの最大の特徴でもある、3.6インチのアウトディスプレイ。
従来の縦折り型のフォルダブルスマホは、時計や通知を確認する程度の小さいディスプレイが一般的でしたが、razr 40 ultraは3.6インチと小さめのスマートフォン並みのディスプレイを有しています。
そのため、スマートフォンにおける簡単な操作はアウトディスプレイのみで完結できます。
筆者がrazr 40 ultraを使用していた中で一番便利に感じたのは、大きめのアウトディスプレイがあることで片手でスマートフォン操作できるのは非常に便利に感じました。
アウトディスプレイがあることで筆者が便利に感じたことをいくつか紹介していきます。
頻繁に使用するアプリを厳選できる
アウトディスプレイに表示させるアプリをカスタマイズすることができるので、アウトディスプレイで頻繁に使用するアプリに簡単にアクセスできます。
例えばバーコード決済系のアプリを登録しておくことで瞬時にバーコード画面を表示させることができますし、音楽系のアプリを入れておけば曲の入れ替えも簡単に行えます。
満員電車の中でも操作できる
満員電車の中でスマートフォンを操作するのはなかなか難しいと思います。
アウトディスプレイで片手で操作できるので、満員電車の中でも周りに迷惑にならずに操作が可能です。
またYouTubeなどの動画系のアプリも表示可能ですので、狭い空間で動画を楽しむこともできます。
このほかにも料理系のアプリで今日の献立を考えたり、SNSなども3.6インチのアウトディスプレイで確認できます。
メッセージアプリも快適
簡易的なメッセージをスマートウォッチのディスプレイで返信するなどはできる機種もありますが、razr 40 ultraのサブディプレイはフルサイズのキーボードを画面いっぱいに表示することができます。
これにより簡易的なメッセージだけでなく、ある程度文字量のあるメッセージでもアウトディスプレイのみで返信することができます。
メインディスプレイとの切り替えがスムーズ
アウトディスプレイとメインディスプレイの切り替えをスムーズに行うことができるのもポイントです。
電車内ではアウトディスプレイで動画を楽しみ降車してからは大画面で楽しむなど、アウトディスプレイのみで完結できないことや、大きなディスプレイで表示したいこともあると思います。
アウトディスプレイからメインディスプレイの切り替えは画面を開くだけ、メインディスプレイからアウトディスプレイへの切り替えも、左下に表示される「続行」を押すだけで簡単に引き継げます。(設定することで閉じるだけでアプリをアウトディスプレイにそのまま表示することも可能です。)
そんな時も、再生している動画をそのまま引き継いで再生できますし、その切り替えも非常にスムーズに行えます。
Snapdragon 8+ Gen 1搭載
razr 40 ultraに使用されているプロセッサーは「Snapdragon 8+ Gen 1」となっています。
Androidスマホ向けの最新チップは「Snapdragon 8 Gen 2」ですが、「Snapdragon 8+ Gen 1」も非常に高い性能を発揮します。
プロセッサーの性能を数値化するアプリ、GeekbenchとAnTuTu Benchmarkを使用して計測してみました。
Geekbenchスコア
razr 40 ultra | Galaxy Z Flip4 | iPhone 14 Pro | |
---|---|---|---|
Single | 1819 | 939 | 1760 |
Multi | 4474 | 3099 | 4809 |
CPU | Qualcomm® SnapdragonTM 8+ Gen 1 Mobile Platform | Qualcomm® Snapdragon™ 8+ Gen 1 | A16 Bionicチップ |
AnTuTu Benchmarkスコア
また、3Dグラフィックが多用されている「原神」のデフォルトの画質設定は「中」となっていました。
デフォルトの画質設定は「中」ですが画質を最高設定にして30分以上プレイしてみましたが、途中で落ちてしまうということはなく快適にプレイできました。
一方で本体はかなり熱くなっていたので、長時間プレイするようであれば「中」設定のままプレイした方が良さそうです。
ゲームに特化した機能もたくさん
razr 40 ultraには「高パフォーマンス」モードがあり、バッテリーの減少が大きくなる代わりに性能を上げてくれるモードを搭載しています。
これにより、ゲームパフォーマンスを上げることができます。
さらには、ゲームアプリ起動時には自動的にゲームモードとなり、サイドのアイコンをタップすることでパフォーマンスモードの切り替えや画面収録、また不要な操作を行わないようにする「ロックモード」など、ゲームプレイに特化した機能も多数搭載されています。
指紋・顔のW生体認証
razr 40 ultraは、指紋認証と顔認証のダブル生体認証となっています。
指紋認証は電源ボタンと一体型になっており、軽く触れるだけでロックを解除してくれます。
Androidスマホの顔認証はiPhoneの顔認識と比較して簡易的なものですが、razr 40 ultraの顔認証は精度も高くなっており、ある程度角度をつけたところでもロックの解除が可能です。
また、アウトディスプレイを使用時にもロックの解除は必要ですが、アウトカメラでも顔認証に対応しています。
電源ボタンも絶妙な位置に配置されているので、違和感なくロックの解除を行えます。
一方で左利きの方は電源ボタンが右側にあるので不便に感じるかもしれません。
バッテリー持ち
razr 40 ultraのバッテリー容量は3,800mAhとなっています。
Galaxy Z Flip4のバッテリー容量が3,700mAh、iPhone 14 Proが3200mAhですので、近年発売されているスマートフォンの中でも十分なバッテリー容量といえます。
また、バッテリー計測アプリPC Mark for Androidを使用して、擬似的にrazr 40 ultraを長時間使用し続けての充電残量が100%から20%になるまでを計測したところ、10時間35分でした。
これだけバッテリーの持ちが良ければ、1日外出する際もモバイルバッテリーはなくても問題なさそうです。
急速充電・ワイヤレス充電対応
razr 40 ultraは急速充電に対応しており、別売りの専用 TurboPowerチャージを使用すれば短時間で充電が可能です。
実際に0%の状態から充電をしてみましたが、30分で59%まで充電することができました。
以下は急速充電器を使用して0%の状態からのバッテリーの増加の様子になります。
充電時間 | バッテリー残量 |
---|---|
30分 | 59% |
40分 | 76% |
50分 | 91% |
1時間 | 100% |
フル充電までも1時間で完了したので、急にバッテリーが必要な場面でもちょっとした充電時間で数時間は使用できます。
また、5Wのワイヤレス充電にも対応しているので、出先から帰宅した際など急ぎで充電を必要としていないときはQi充電に対応した充電パッドに置いておくだけで充電することも可能です。
IP52の防塵防滴性能
折りたたみスマホで気になるのが、防塵防滴性能です。
razr 40 ultraはIP52の防塵防滴性能で、防塵に関しては上から2番目の規格となっており埃などの侵入を防げますが、防水性能はIPX2となっているため水滴を防げる程度の性能です。
急な雨などによる水滴は防ぐことができますが、水場での使用は避けた方が良いです。
motorola razr 40 ultraのカメラ性能を作例を用いて紹介
razr 40 ultraは約1,200万画素の広角カメラと約1,300万画素の超広角の2眼構成となっています。
超広角カメラはマクロ撮影に対応していたり、動画撮影時に便利な水平ロック機能も搭載しています。
また、折りたたみスマホ特有のカメラの使用方法も特徴的です。
約1,200万画素のメインカメラ
メインカメラとなる広角カメラは、約1,200万画素のカメラになっています。
近年のハイエンドスマホと比較すると画素数が少ないようにも感じますが、光学手ぶれ補正を搭載していたり、高速自動フォーカス技術である「PDAF」に対応しています。
スマホカメラの魅力は、街の風景や料理などをさっと取り出して撮影できることですが光学手ぶれ補正や高速自動フォーカスにより瞬時に綺麗な写真が撮影できます。
razr 40 ultraで撮影できる写真はコントラストが高く、青空の色や夜景などが特に綺麗に撮影できます。
マクロ撮影もできる
超広角カメラはマクロ撮影にも対応しています。
従来のスマホカメラでは撮影できないような迫力のある写真の撮影が可能です。
通常のメインカメラでは以下のようにボケてしまう距離でも、マクロ撮影なら対象物へ4cmまで近づいて撮影することが可能です。
水平ロック機能
水平ロック機能はビデオ撮影時に便利な機能です。
メインカメラの光学手ぶれ補正に加えて、水平ロック機能があることでVlogなどのビデオ撮影時に安定した撮影が可能です。
実際にVlogの撮影を行ってみましたので、手ぶれ補正や水平ロック機能の効果を確かめてみてください。
動画もrazr 40 ultraらしいコントラスト高めの映像となっており、綺麗に撮影することができます。
一方で動画内でいくつか歩行シーンを撮影して光学手ぶれ補正や水平ロックの検証を行いましたが、どちらも強力な補正がされていますが電子的な補正のせいか映像が乱れてしまっており歩行シーンが多めな撮影スタイルは難しいと思います。
また、水平ロック時は最高でフルHD画質になってしまうので、画質を気にされるのであれば光学手ぶれ補正で撮影した方が良いです。
折りたたみスマホならではの撮影方法が可能
折りたたみスマホだからこそできる撮影方法がrazr 40 ultraなら可能です。
例えば自撮りをする際も、90°にスマートフォンを折り曲げることで離れた場所からメインカメラで撮影が可能です。
手のひらシャッターに対応しているため、カメラに向かって手のひらを開くと3秒間のタイマー撮影を行うこともできます。
また、同様に90°に折り曲げて横向きにスマートフォンを持つことで、ハンディカムのように持つことができ、ビデオ撮影時に安定して撮影することができます。
アウトディスプレイに撮影している動画が表示されるので、撮られている側も確認しながら撮影ができるのもポイントです。
motorola razr 40 ultraの気になるポイント
razr 40 ultraをしばらく使用していて、いくつか気になるポイントがあったので紹介したいと思います。
おサイフケータイが使えない
razr 40 ultraの1番の欠点は、おサイフケータイが使えない点です。
モバイルSuicaやnanacoのような電子決済、またiDやQUICPayといったクレジットカードのタッチ決済も利用できないということになります。
近年はバーコード決済が利用できる店舗も増えてきていますのでおサイフケータイが使用できなくてもキャッシュレス決済は行えますが、定期利用などモバイルSuicaが使用できないと困る場面はあるかもしれません。
一方でNFCには対応しているので、Google Payを使用したVisaやMastercardなどのクレジットカード決済は利用可能です。
アウトディスプレイで使用できないアプリがある
ほとんどのアプリがアウトディスプレイでも快適に操作可能ですが、一部のアプリがきちんと動作しないことがありました。
全てのアプリを試したわけではないですが、筆者が確認した限りカメラ系のアプリで本来は横向きに撮影できるはずが縦向きでしか撮影できないということがありました。
また、アプリを立ち上げた際によく表示されるポップアップも、タッチ操作などは行えるのですが見切れて表示される場合はスクロールなどができないため操作不可能になることがありました。
razr 40 ultraに合わせてアプリも開発されていないため仕方ないことですが、カメラアプリなどはどうにか対応してほしいと思いました。
motorola razr 40 ultraは片手操作がしやすい近未来型の折りたたみスマホ
大画面でバッテリー容量が大きいスマートフォンは他社のスマートフォン含めたくさんありますが、片手で操作できるスマートフォンは年々少なくなっています。
ASUSのZenfoneなどの手のひらサイズのスマートフォンはありますが、折りたたみスマホというジャンルの中で片手で操作を想定としたスマートフォンはrazr 40 ultraならではの魅力であり、まさに革命とも言えるスマートフォンです。
小型のスマートフォンが好きだけどバッテリー持ちが気になるであったり、コンテンツは大画面で観たいという方はrazr 40 ultraを試してみてはいかがでしょうか。